4月30日4 分文化財を守ることの難しさ文化財にかかわる仕事をしていて、文化財を守ることの難しさを痛感することが多い。石や土、金属でできているものはまだしも、紙や絹、木、漆や染料といったものは素材としても脆弱で、それが何百年もの歳月を経ているとなると正に超高齢者の世界である。日本の文化財はこうした素材でできている...
3月27日4 分伝統と未来「伝統」は「過去」と切り離すことはできない。というか「過去」という時間の層の中で実在する事象でもある。伝統を守るとなると過去という衣を着た事象をできる限りうぶな形で見守り続けることになる。しかし伝統を生かすとか、伝統に学ぶとなると、伝統が内包していた過去という時間層は途端に...
2月26日3 分竹内美術店オーナーの独り言 7今後について インスタグラムなどのSNSを通して常に新しい作家を発掘していこうとアンテナを張っています。その作家の作品がどんなに良くても、実際に話をしてみて作家自身の思想哲学、情熱がどれくらいあるかという事を重要視しています。そしてそれに尽きると考えています。...
2月19日4 分作品調査のタイミング我々美術史研究者にとって最も基礎となるのは作品調査である。しかしその作品調査が常にスムースに満足のいく状況下で進められるとは限らない。むしろ非常に苦労を伴ったり、そのタイミングを失ったりもする。 ある時講演を終えた後、多くの方が質問に来られた。その中に作品を直接持ってこられ...
1月13日3 分竹内美術店オーナーの独り言 4美術品の価格について 今年のオークションの結果を見ると美術品においては、年始からとても価格が高いように思えます。コンテンポラリーアートはとても高くなっており作品によっては半年程で2倍や3倍になっているものも中にはあります。...
2021年12月28日5 分アールブリュットの時代近年日本でもアールブリュットが話題になることが多くなった。京都でも障害を持つ人々の文化芸術活動の振興を手助けしようと、京都府が2015年12月に「きょうと障害者文化芸術推進機構」を創設した。文化芸術活動を通じて障害者の理解と社会参画を促進することを目的に、大学、芸術家、福祉...
2021年11月20日4 分ICOM京都大会の意義2019年9月、ICOM(世界博物館会議)の世界大会が京都の国際会議場、及びイベントホールで開催された。9月1日から6日までの一週間、世界120カ国から5000人近い博物館関係者が京都に集まった。今ICOMの会員は4万人を超えているが、その1割以上が集まったことになる。3年...
2021年10月24日4 分経済と文化日本の政治や経済の世界において「文化」はどのような地位を占めているのだろう。文化国家を国の指針として打ち出した時期があったことはまだ記憶に新しいが、いつの間にかそのかけ声は消えてしまった。経済においてはどうだろう。経済人の責任として文化は守るべきもの、支援すべきものとしてメ...