竹内美術店オーナーの独り言 1

このコラムでは、私が美術店を経営しながら、世の中の出来事や自分の身の周りのことに対して考えたことを自由気ままに書かせて頂こうと思います。


私が働き始めた時代と今の時代との違い


私が美術店で働き始めた時代の仕事はいわゆる丁稚奉公の世界でした。一日の労働時間が長い割にもらえる給料は現在の基準と比べるとかなり低かったと思います。


それだけの時間働くとなると、今の時代ではやらなくてもよいこと、無駄と思えることまでやらされていました。

例えば、朝まず掃除をして、社長の車を洗うことから日が始まりました。

しかし、今思うとそれらは決して無駄ではなかったように思えます。

そのような環境に置かれて初めて、人は一生懸命考えたり、工夫したりしてより良い仕事をしようと本気で努力します。

私はそこまで一生懸命やってませんでしたけど(笑)。今思えばどうやったらうまくサボれるかを考えていたように思えます。


今の社会ではマニュアル化することで無駄をなくすことが良しとされていますが、マニュアル化されすぎているように思えて、逆に問題だと思います。

無駄を行うことによって、様々な経験をする事ができ、長い目で見ると決して無駄なことではなく、むしろやらなくてはならなかったトレーニングを積み重ねていることになっていると思います。

無駄な経験を重ねることによって、多くのイメージを膨らませ、突発的な出来事が起きても対応できる能力が付いたり、複数の方法論を考える事ができるようになると思います。

ですから、無駄ばっかりやれとは言わないですが、無駄なこともそれなりに必要なことだと思います。

美術店の仕事のやりがい この仕事は相場を見極めることが必要になります。

社会の変動に伴って、美術品の価値は上がり下がりします。


相場を当てるコツは、当たり前のことですが高すぎるものは売り、安すぎるものを買うということしかありません。

まだ世界的に評価されてない作家がグローバルマーケットで通用するようになったときに、爆発的な価格の上昇が起こります。昨今は美術愛好家だけでなく、投機目的の方も相当数おられるように思います。


このような環境で色々な意見を聞きすぎて迷う人が多いように思えますが、自分の判断を尊重するのがとても大事だと思います。

なぜなら、自分の中に蓄積されたデータは信用し得るものだからです。

特に日本の方は自分で判断する事が、外国の方から比べるとできなくなっているように思えます。

自分自身の経験から言えば、大筋さえ外していなければ、大したことにはなりません。


 

Writer:竹内 丘 竹内美術店オーナー

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