竹内美術店オーナーの独り言 6

成功の秘訣?

一発で何かが決まるということはどの世界でもかなり難しく、試行錯誤を繰り返す過程のどこかの時点で何か“ひらめき”というものが出てくるものであり、その”ひらめき“が出てくるのは一生に数回程度しかないでしょう。


考えを重ねて苦しんだ結果、確実にそういうものが生まれてくるのか、といったらそういう訳でもなく、様々なプロセスを経てどこかのタイミングで何かのきっかけによって新たなものが生まれてくるものではないのでしょうか。


作ろうとして作れるものではなく、過去から学び現在からも学び、その中で自分の個性をどう出していくか、ということも考えなくてはなりません。

現時点では出会っていないかも知れませんが、そういうプロセスを踏んだ人にはどこかのタイミングで出会えるのです。


やらなければ出会わないしやっていても作家人生において数回ほどしか訪れないのではないかと思います。とてつもない数の人が何千年も前からやり続けていている芸術の歴史の中で全く新しい物が生まれてくるとは思えません。料理や音楽に関しても『やり尽くしている感』があるからです。

しかし、そのような中でもその時代に合った新しい物を作り出してくる人が必ずいます。人間の幅や深みは時代背景にともなって必ず出てきますが、やり続けていないと出てこないと思います。

作る側も買う側も、ある程度自分を信じてないと無理なのではないでしょうか。

これをやったら人に喜ばれるとか、これをやったら嫌われるとか“当てにいったら”当たらないのではないでしょうか。当てにいくと個性にはならない、所詮リスクヘッジしていると考えてもおかしくはないのではないでしょうか。

万人受けということは、このニッチな世界で芸術家は考えてはいけないと思います。

大事なのは自分のスタイルを作ろうとし、それを信じて続ける事が出来る人です。

完成した作品ももちろん大切ですが、それより前に作家の芸術に対する信念や情熱、どれだけ前向きに取り組めるかというような精神面の方が、サポート側としては重要な点となってくるように思います。他の業種でも同じだと思いますが、ある程度売れるようになってからダメになる人は沢山います。それはなぜかというと、当てにいったり、現状に満足してしまい自分の世界を追求しようとする意欲が薄れ、この辺りでいいかなと思ってしまうと、その人の旬が終わっていくからではないでしょうか。

アーティストには旬があると思います。

作品にエネルギーがどこまで強く出ているかがとても大切で、どの作家にも当てはまることですが、例えばこの作家は何年から何年までに制作した作品が一番良い、という見方を必ずされてしまいます。それなぜかというと、やはりその時代の作品はとても良く、その理由はやはりエネルギーがそれだけ表れているということだと思います。得てしてその山が二つも三つも続くということはあまりなく、若い頃の何年間に出るか、あるいは晩年に出てくるかは、作家それぞれ全く違います。スポーツ選手においても旬の時期というのは後から振り返って見えてくるもので、これはどのジャンルにおいても同じ事だと思います。

 

Writer:竹内 丘 竹内美術店オーナー

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