竹内美術店オーナーの独り言 7

今後について


インスタグラムなどのSNSを通して常に新しい作家を発掘していこうとアンテナを張っています。その作家の作品がどんなに良くても、実際に話をしてみて作家自身の思想哲学、情熱がどれくらいあるかという事を重要視しています。そしてそれに尽きると考えています。

このような理由から誰の作品でも取り扱いをするということはしていません。


日本では、文化勲章や文化功労賞をとっている、あるいは芸術院の会員だとか有名な先生の弟子である、どこの大学の出身か、受賞歴があるかなどに高い評価を置き過ぎて、作品の内容やその作家の持つ思想、哲学、情熱ということをあまりにも軽んじた結果、作家の能力がかなり削がれてしまっていると思います。また、観る側も鑑賞の能力が落ちてしまい、作家の肩書きに惹かれて購入に至るという事が起こり、それが日本のアート市場をダメにしている原因の一つだと考えています。


文化・芸術という分野は万国共通であり時代によって流行り廃りがあります。

特にこの数年コロナ禍においては、外出制限や様々な規制があり音楽や映画、読書、アート鑑賞などに今まで以上に目を向ける機会が多く与えられた期間になったと思います。

文化・芸術は、言葉が通じなくてもどの国の人にも共感できる部分があり、閉鎖的な生活を強いられていたとしてもそれらによって豊かになったりあるいは新たな自分の感性が広がったりと、精神的な豊かさをもたらしてくれるものです。

このようなことに興味を持つ時間的余裕、精神的余裕を人は求めているのではないか、と感じています。


文化や芸術で使用される材料は時代によって変化しています。

食べ物や音楽なども時代の変化と科学技術の進歩が相まって材料が変化し、絵画でいえばアクリル絵具ができてからコンテンポラリーの作家の多くはアクリル絵具を取り入れており、昨今でいえばNFTというデジタル技術を使ったアートも出てきています。

材料が変わることによって『やり尽くされた感』のある表現が、また新たに表現方法を見出だす事ができ、或いは時代の変化によって新たな材料を使った表現ができる環境も少しずつできているとも言えます。

過去にも同じような事が繰り返されて何千年もの間に様々な素材や材料が科学技術の進歩によって影響を受けてきて、芸術の世界もまた同様でしょう。どの材料でどのようなコンテンツを使用するかの選択は自由であり、自分が一番表現しやすいもの、手段を使っていくのが良いのではないでしょうか。

ここ数年世界中がコロナ渦にあり海外へ行く事が非常に困難になりましたが、これが終息し元通りに海外へ旅行や仕事で行くような環境に戻れば、またその国々にコロナ渦後の新たな文化が生まれているだろうし、それに触れる事ができるかも知れません。

もしかすると『コロナ渦』というのは一旦休憩して過去や未来の事をもう一度自分達の頭の中をリセットする、新たなスタートを切るための良い機会になったのかも知れません。


非常に困難な事態ですがこのように良い方へ思考を切り替え、またコロナ渦後の世界で新たな未来をつくれるという事を期待したいと思います。

 

Writer:竹内 丘 竹内美術店オーナー

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