竹内美術店オーナーの独り言8-前編

ご存知­の方もそうでない方もいらっしゃると思いますので、今更ながら竹内美術店のことと注目している作家について紹介させていただきます。


創業は2003年で京都の中心地中京区河原町御池、京都ホテルオークラの南向かいにあります。御池通りに面しており東に100メートル足らずで鴨川、祇園までは徒歩圏内で、1950年代に建てられた昭和レトロなビルの1階にあります。

これ以上小さなギャラリーは世界中どこを探しても他にはないのではと思うほどの小さなギャラリーです。このような説明を加えると『見たことある、なんとなく記憶にある』と思う方もいらっしゃるかもしれません。

京都に来られる機会がありましたらお立ち寄り頂き、お気に入りの作品と出会うきっかけを作っていただきましたら、また一味違う京都の思い出になるのではないでしょうか。


以下に当ギャラリーが取り扱いをさせていただいている作家を数人ご紹介させていただきます。少しでも作家本人、そして作品について知っていただき、どこかで目にした際の情報としてお役に立てれば幸いです。


松村淳について

彼の作品で最初に興味が湧いたのはNecrosisという真っ白な抹茶茶碗でした。早速実物を拝見したいと思い、作品の依頼をしました。到着して初めて目にした時の正直な感想は「これは一体どこから飲むのだろうか…」というものでした。抹茶茶碗だと理解した上での依頼だったにも関わらず、このような疑問が浮かんだのです。じっくりとNecrosisという作品を見てみると一箇所、飲み口のようなところがありました。前衛的な形の中にも飲み口という機能が備わっています。他の作品も見てみると、陶磁器でありながら3Dを駆使したかのような、最先端のロボットのようにパーツが組み合わされており、ガンダム世代には共感できる要素が含まれています。従来の陶磁器の概念からはかけ離れた異質さを放つ数々の作品が私にはとても新鮮に感じられ、取り扱いをさせて頂くことにしました。


彼は千葉県に生まれ、現在活動の拠点を埼玉県に置いています。学生時代は南アラバマ大学で過ごし海洋学を専攻後、日本に帰国し陶磁器の世界に足を踏み入れました。

作品の中には海洋生物の骨のように見えるものもあり、もしかすると彼が学んだ海洋生物の形や動き、そして水の流れなどを作品の表現法にリンクさせているのではないでしょうか。もちろんこれは彼が海洋学を専攻していたという事実から派生した私の勝手な想像に過ぎませんが。当店でこの海洋生物的な陶磁器に最初に関心を示してくれたのは日本のお客様でした。そして次に海外のお客様の目に留まり、とても気に入っていただいたようで十数点もの作品をご購入いただき、彼に対する賞賛のメッセージもいただきました。


彼の作品には従来の日本の陶芸家には無い感性、魅力が表れています。

日本はもちろんのこと、おそらく海外でも理解される作品だと思います。インテリアの一部としてリビングルームなどに溶け込んでくれる作品でもあり、お友達が来られた際に彼の作品でおもてなしされたら喜ばれるのではないでしょうか。

また、作品を見たミシュランレストランや日本料理店の店主が興味を示してくれていますので、もしかしたらあなたが訪れるお店で彼の作品と出会う事があるかもしれません。ぜひ期待していてください。


松村淳 Instagram▶︎ @junmat.ceramics



Jan Kálabについて

チェコ生まれでストリートアート出身のビジュアルアーティストです。有機的な形のオブジェは、彼の近年の作品を特徴付けています。現在のところ、日本ではまだあまり目にする機会はないかもしれませんが、海外ではヨーロッパをはじめアメリカ、アジアなどで個展を開催しています。

最初、彼の作品を見た時に彼が作り出す色の美しさに感銘を受けました。作品が放つ刺激的な数々の色は、清浄な雰囲気が尊重される日本文化の根底に流れるアニミズム的なものには見られないからだと思います。


作品の特徴の一つとして挙げられるのはキャンバスの形です。何しろ複雑なのです。展示する際にその複雑さに良い意味で手こずらされます。最近の作品はより一層複雑さが増し進化して、3Dのように見えます。その複雑さの中に彼のセンスの良さが光っています。

和菓子のようなデザインであったり、アメーバのような微生物的なデザインに見えたり、見る人によって様々な想像をかきたててくれます。彼の作品が気に入ったのはこういった複数の理由からです。以前のコラムでも書いたように取り扱う作家の人間性は重要だと考えていますが、彼は人間的にも素晴らしい人です。


今後も彼は私たちだけでなく彼のアートを目にする人達の期待に応えてくれる、そういう作家になると思います。多くの人々は彼の作品を一度目にすると記憶に残ります。美しい色彩、複雑な造形美がそうさせるのだと思います。

最近ではサザビーズのオークションなどにも出てくるようになり、ますますグローバルなマーケットで通用するアーティストになってきているのではないでしょうか。

そんな彼を今後も応援していきたいと思っています。


ジャン・カラブ Instagram▶︎ @jankalab


続く…

 

Writer:竹内 丘 竹内美術店オーナー

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